フレイル
2023/08/06
目次
フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアの違い
フレイル
フレイルとは、病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、
介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態です。
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームとは、
加齢による筋力の低下や
関節や脊椎の病気、骨粗鬆症などによって
運動器の機能が衰えて、移動機能が低下した状態のことです。
サルコペニア
サルコペニアは、
加齢に伴う筋肉量の減少及び筋力低下です。
25〜30歳くらいから進行が始まるとされています。
フレイルの主なチェック項目
- 体重減少:半年で2~3kg減
- 握力が弱い:男性 26kg未満、女性 16kg未満
- 疲労感がある:わけもなく疲れた感じがする
- 歩くのが遅い:歩行速度 10m/秒未満
- 運動習慣がない
フレイルは、
筋力低下などの身体的要素、
認知症やうつなど精神的・心理的要素、
独居や経済的困窮などの社会的要素
で構成されます。
ですから、フレイルの進行を予防するためには、
これらの3つの側面から総合的にみて対応する必要があります。
その中でも、社会とのかかわりの低下がフレイルの入り口といわれています。
フレイルの予防
フレイルには「可逆性」という特性もあります。
つまり、自分の状態と向き合い、予防に取り組むことで
その進行を緩やかにし、
健康に過ごせていた状態に戻すことができます。
フレイルを予防するための柱は3つあります。
一つは、たんぱく質をとり、バランスよく食事をし、水分も十分に摂取するなどの「栄養」です。
次に、歩いたり、筋トレをしたりするなどの「身体活動(運動)」。
さらに、就労や余暇活動、ボランティアなどに取り組む「社会参加」です。
高齢になると持病を抱えていたり、免疫力が落ちていたり人もいるでしょう。
そのため、これら3つを行うためにも
・持病のコントロール
・感染症の予防
は欠かせません。
体調を崩したことをきっかけに筋力が落ちる、
認知機能が低下するということも少なくありません。
筋力に関しても衰えた筋肉を元の状態に戻すには、
寝込んだ日数の3倍かかるといわれています。
日ごろの体調管理を心掛けましょう。
フレイルを予防する~運動~
★ウォーキング
こちらは、だれでも気軽に始められる有酸素運動です。
ちなみに、有酸素運動というのは、筋肉を収縮させるエネルギーとして酸素を使う運動で、
心肺機能の強化、末梢循環改善、代謝アップの効果があります。
インターバル速歩(速歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返すウォーキング法)はより効果的です
★レジスタンス運動
筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
たとえば、椅子に座ったまま足を上げたり下げたりする、
椅子から立ち上がったり座ったりする、
スクワット、
ダンベル運動など
がレジスタンス運動になります。
これらは、筋力・筋肉量維持向上に効果があります。
★アクアエクササイズ
こちらは気軽に始めるというのは難しいかもしれませんが、
水の浮力が働くため関節への負荷がかかりにくく、
障害のある方、肥満の方にも取り入れやすい運動になります。
全身を使った有酸素運動と水中での抵抗運動で、
体力・筋力が向上し、
全身がバランスよく鍛えられるというメリットがあります。
それ以外にも心身のリラクゼーションのほか、
浮力・水温・水圧・水流による血流改善や自律神経賦活、
筋肉の緊張緩和に効果があるといわれています。
呼吸機能や睡眠にも効果があるそうです。
★チューブトレーニング
ゴムの強度によって体力や筋力に合わせた負荷で行えるトレーニングです。
筋力・持久力の増強に効果があります。
関節可動域や柔軟性の改善、
体感の安定性や姿勢保持の向上、
呼吸機能の改善
に効果があるともいわれています。
フレイル予防に効果がある運動についてお伝えしました。
良かったら無理のない範囲でやってみてくださいね。
張り切ってやりすぎるよりは、少しずつでも毎日やることの方が大切です。