滝行と頭痛
2023/09/08
目次
とあるお寺に2泊3日の体験修行に行ってきました。
お目当ては、滝行。
以前にも別の場所に日帰りで行ったことがありますが、
その時はひどい頭痛に見舞われ、寝込みました。
滝行で頭痛が起きるメカニズム
私のように滝行で頭痛が起きる人がいるようですが、
それはなぜなのでしょうか?
もっとも考えられるのが、
「可逆性脳血管攣縮症候群(かぎゃくせいのうけっかんれんしゅくしょうこうぐん) Reversible cerebral vasoconstriction syndrome (RCVS)」
と呼ばれるものです。
経験した私が言うのもなんですが、かなり激しい頭痛です。
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
RDVSは、1988年にCall-Fleming症候群として発表されました。
それ以降、
・migrainous spasms
・benign angiopathy of the central nervous system (BACNS)
・postpartum cerebral angiopathy
など、さまざまな名前で呼ばれていました。
今は、RCVSとして名前が定着しています。
可逆性脳血管攣縮症候群には、
雷鳴頭痛と言われる急な激しい頭痛で発症するという特徴があります。
基本的に予後は良好で、ほとんどの人は後遺症なく改善します。
とはいえ、1%未満ではありますが死に至るケースがあったり、
5~8%の人が再発したり、
3~6%の人が脳梗塞や脳出血などなんらかの後遺症を残すとされているため
頭痛が起きたときに安易に様子をみるのは考えものです。
RCSVは、名前の通り、脳の血管が攣縮して細くなるというのが特徴です。
なので、診断には頭部MRA (MR angiography:脳のMRIによる血管撮影)を使って、
脳の血管の様子を観察します。
血管の攣縮なので、一時的に脳の血管が細くなっているわけですが、
画像的には血管が細くなる
原発性中枢神経系血管炎 (primary angiitis of the central nervous system; PACNS) などの血管炎や
動脈硬化による血管狭窄が鑑別として重要になります。
RCVSの診断基準
RCVSは、2007年にCalabreseらによって
- 脳動脈に分節上の狭窄の多発が確認される
- 脳動脈瘤の破裂が否定される
- 髄液所見がおおむね正常である
- 急性の頭痛がある
- 発症から12週以内に可逆性に狭窄所見が改善する
の5項目が診断基準として提唱されています。
参考資料はこちら
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/advpub/0/advpub_11045/_pdf
RCVSをきたす要因と発症機序
内的要因
遺伝的素因、性別、片頭痛の既往
外的要因
妊娠・分娩、血管作動性物質への曝露
基本病態
交感神経の過活動による血管緊張の調整障害
⇒ 軟髄膜を支配する三叉神経を刺激
⇒ 雷鳴頭痛
参考)可逆性脳血管攣縮症候群による頭痛の治療(神経治療36:241-246, 2019)
可逆性脳血管攣縮症候群 (reversible cerebral vasoconstriction syndrome) 神経治療 35:416-421, 2018
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